寄り道だらけな30代の生き方奮闘記 

【体験記】30歳ナースが手術をしたら多弁になった話

エッセイ

腫瘍の発見、手術を決めるまでの日々の様子はコチラの記事で↓

さて、前回お話したように、いよいよ入院当日から退院までを振り返ります。
1記事で終わるつもりが(笑)

いよいよ入院!

看護助手さんに案内してもらい、病室へ。
自分の空間なしにして落ち着けない私は、ギリギリまで個室にするかとっても悩んだのですが、なんと個室が14,000円/泊(シャワーなし)だったため、泣く泣く諦めることに。
さすがに5泊6日予定の入院で+70,000円は痛い出費。
だったら退院後にちょっといいホテルにでも泊まって一人快気祝いしようと慰めました。

でも、いざ案内してもらった大部屋は4人部屋なのに私を含めて2人。
窓際のベッドをあてがってもらい、悠々自適に窓の外の景色を楽しんでいました。

術前準備とにこちゃんクッキー

しばらくすると看護師さんがやってきて身長計測やら、軽い問診やら、術前準備の説明やらが始まりました。
何を隠そう!(そもそもカルテに助産師と書かれているので隠していないのですが(笑))
数年前までは産婦人科病棟で勤務していたため、婦人科手術の術前準備の理解はパーフェクト!¥
おへその処置や剃毛はばっちり家でやってきました。
ただでさえ休日入院で、スタッフの少ない日に入院入力という大変なお仕事を増やしているのでそれぐらいしないと!(笑)

私が受ける予定であった腹腔鏡手術(通称ラパロ)はお腹に4~5か所の小さな穴をあけてそこから機材やカメラを通し行う手術です。

必要な術前準備は主に、
1.お腹周りの毛を剃ること(剃毛)(おへその高さぐらいから恥骨の上ぐらいまで剃れば確実)
2.おへそをきれいにすること(オリーブオイルやベビーオイルなどを垂らした綿棒でおへその汚れをとります。)
3.医療用の着圧ソックスのサイズを測ること
になります。(病院や術式、状態によっても変わるので必ず手術を受けられる病院で確認してくださいね。)

夕方にはシャワーを浴びて、
術前薬(便通をよくするマグコロールとセンノシドというお薬)を飲んで、
栄養士さん達の愛のこもったディナーを贅沢にも京都の夜景を見ながら頂き、
明日に向けての浣腸を行い(2回も。。。)、
ご褒美デザートには、カバンに詰め込んできた焼き菓子の中から何を食べるか一生懸命選び、
その後は22時の消灯までのんびりと過ごしました。

パウンドケーキを選び、残りは終わったら食べるんだ~!と元気をくれたお菓子たち。

術当日は浣腸地獄

さすがに22時には寝付けませんでしたが、日付が変わるか変わらないかの頃にウトウト。
なんだかんだ肝が据わっているのか、起床時間の6時前までしっかり寝ることができました。
もう絶食になっているので、そこからはOS-1というポカリスエットやアクエリアスのような経口補水液1.5ℓ分を10時までに飲みきれるように調整しながら、まずは1回目の浣腸。

このあたりの地獄絵図は割愛しますが、
その後数か月にわたり友人の間で「キキがした手術は腸内環境改善術30+(サーティープラス)だ。」と言われるぐらい、前日分併せて計4回も浣腸を経験する羽目に。

実は、腹腔鏡の前の術前浣腸は行わない病院もあったり1回のみ行う所もあるのですが…
決まりだったら仕方ない…いかに適温の浣腸が安楽かということを改めて学びました。
(もし、看護学生さん、または看護師さんがこのブログを読んでいたら、浣腸は教科書通りの人肌/適温で使用してください。‟ちょっと冷たい”‟ちょっと熱い”が後々悲惨な結果を招きます(笑))

ようやく全ての術前検査が終わり、10時には1.5ℓの経口補水液も飲み終え絶飲食へ。
12時には術着に着替えて、着圧ソックスを吐き、14時の出棟を待つだけとなりました。

遅れる出棟と優しいスタッフ

着圧ソックス履いて、出棟までの様子

手術前までには、当日担当の看護師さんだけでなく、麻酔科の先生や主治医の先生、一緒に手術室に入ってくださる研修医の先生や手術室の看護師の方々が代わる代わる声をかけにきてくださいます。

そして、産婦人科において午後の手術はたいてい遅れます。
前の手術の予定時間が長くなることはよくあるし、時として緊急帝王切開が入ったり、あとは他の科の緊急手術で麻酔科の先生や手術室の看護師さんをあてがうために遅れることもあります。
想定内なので、もはや落ち着いて本なんか読んでいたのですが、優しい看護師さん達が「まだ手術室から連絡ないの、ごめんなさいね。」と何度も丁寧に伝えにきてくれていました。
絶飲食でどうしても喉が渇いて仕方ないので何度もうがいしつつ、日もくれかけた16時半に、私の出棟が決まりました。

血圧はかって、体温はかって、歩いて手術室へ。
朝に挨拶に来てくださった手術室の看護師さんと「大丈夫ですか?定時で帰れますか?」なんて談笑しながら、いよいよ手術台へと寝転がりました。

初めての麻酔の感覚

もう一つ、いざ手術室に行かないとわからないと言われていたことが麻酔の種類。
「硬膜外麻酔+全身麻酔」「全身麻酔のみ」なのですが、硬膜外麻酔は入れるときにそれなりに痛みが伴うのと、術後に吐き気がすることも。全身麻酔だけだと、術後の痛みが辛くなることもあります。

「硬膜外麻酔しますか?」の質問に、「今日はしないけど、したかった?」と、柔らかく答えてくれる麻酔科の先生。内心、少し硬膜外麻酔を怖がっていたので、「よかったです。」と答えると、「ゆっくり呼吸してね~」という声かけと共に酸素マスクが口元へ。
点滴の針が入った左手の甲から、少しピリッとした麻酔薬が通っていく感覚を感じるや否や、

(うっ。。。)

なんだか、重たい鉛が胸の上にのせられて少し息をしにくい感覚がゆっくりやってきて、次にふんわり意識が遠のき、でも無意識にまだ起きているアピールをするために瞬きをパチパチ…

(うっ。。。)

そうして、眠りの世界に落ちた私の手術が始まりました。

穴があったら入りたい、術直後。

6人ぐらいのスタッフに囲まれ、術着からパジャマへと着替えさせてもらっているお部屋でふんわり目が覚めました。

…なんて、可愛いものではなく、そこから喋る、喋る、このアラサー患者(笑)

「すごい、みなさんプロフェッショナルですね!」
(そりゃそうだ。みんなプロの医療従事者だもの、何をいまさら(笑)「そんなことないですよ~。」とにこやかに答えてくれる看護師さんでよかった;;)

「今何時ですか?」(2回)
(聞いてもすぐ忘れちゃって、覚えてるだけで2回は聞いてます。記憶の中では手術がどれぐらいかかったのか興味があっただけなのですが、2回目聞いたときは、何か大事な用事がありましたか?と聞いてくださりました(笑))

「卵巣残りましたか?」
(これは気になってたんでしょうね。「卵巣も卵管も残ってますよ~傷は4か所だけですからね~」という答えに「よかった…」と返しています。)

「トイレに行きたい感覚があります。」
(ええ、ええ、ええ、膀胱留置カテーテルという膀胱から尿道を通って自動的におしっこをだしてくれる管が入っているのは100も1000も承知なのですが、このトイレに行きたい感覚がどうしても消えなくて!「大丈夫ですよ、管入ってますよ~」という、私も何回もいったであろう回答が返ってきました。そうか、あの時私に聞いてきてくれた患者さんも同じ気分だったんだろうなぁ。ちなみに、この後わかりますが、管の角度的に仰向けの姿勢では私のおしっこを吸ってくれないことが明らかに!だから、トイレ行きたい感覚はあながち間違っていなかった!と援護させてください(笑))

「シバリングしてます。」
(シバリングとは、手術のときに一時的に低体温になることによって体の熱をあげようと身ぶるいすることです。何よりも、相手は全員プロフェッショナル(笑) あんたが言わんでもみんなわかってるわ~!と突っ込みたくなるのですが、ここでも看護師さんが「電気毛布いれてますからね~」と暖かく答えてくれました。)

「ここはどこですか?」
(天井が病棟にみえなくて、まだ手術室かと思って聞いた一言(笑) 「婦人科病棟ですよ~帰ってきましたからね~」と本当に一言一言が優しいお返事でした。)

覚えているだけで、7言。安静にしとけばいいものの次から次へと喋っているのですが、すごくふわふわしていた間に覚えているだけで7言なので、もうあと10言ぐらい、喋っていてもおかしくない。
プロポフォール(麻酔薬)って、多幸感があったり、多弁になったりするんですって。
あのマイケルジャクソンも、最後はその多幸感にハマってしまったとか。
ちなみに私の医師の友人も、手術を受けて翌日起きた後に「とっても幸せそうな夢をみられていたんですね」と声をかけられたんだとか。
でも、無意識の中で誰かを罵ったり、文句をいったりせず、一言目が相手への労いの言葉だから、潜在的な性格は悪くない!と前向きに捉えておきましょう(笑)

お願いだからカルテに「多弁傾向有り、術後要注意」って書かれていませんように。

元気すぎて驚かれ、退院が早まった記事はコチラ↓


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