かれこれ数ヶ月前ぐらいだったでしょうか。
ある記事を読みました。
それは、映画館で映画を見れない人が増えている話。
家で、10秒スキップだったり、再生速度を少し早めて見る方が、無駄がなくて効率がいいんだとか。
同じ理由でテレビも見れない人が増えているそうです。
CMすっごい長いもんね。
始まったと思いきや、CM前と同じところを繰り返したりするし。
今までは当たり前のことだったのに、Tverの広告すら煩わしく感じてしまうようになりました。
確かに、Netflixの映画もちょっとスキップしたことあるや。
家電が発達して時間ができればできるほど失うものが増えてきた、とも言われていますが、
SNSをはじめ、動画へのアクセスがよくなればなるほど、エンタメとしての時間ではなくなってきていて、
エンタメから得られるドーパミンだけを効率的に欲するようになってきているのかもしれません。
インスタやTik Tokが止まらないのも、ドーパミンが関与しているんだとか。
何十という短い動画の中で、自分が面白いと思う動画に出会えたときのドーパミンを求めて、上から下へとスワイプし続けちゃうんだとか。
なんだか、いつかどこかで聞いたラットの実験のようなお話です。
プロセスが楽しめない
そして、自分もそんなドーパミンスパイラルに陥ってしまっていると思ったのは、関西空港でのこと。
確かにここにくるまでは切符のトラブルもあって、だいぶと心が焦っていたのはありますが、無事空港に着いたのは約2時間前。
チェックインカウンターに並んでいる私を無視することはないだろうし、
相当なことをしない限り、ここから飛行機に乗り遅れるなんてほとんどあり得ない話。
でも、なんだか心がずっと焦っています。
というより、待つ=無駄なことになっているような感じ。
心なしか、私以外の人も、なんだかソワソワしている気がします。
なんだろう。
18歳のころから旅をしていてはじめての感覚。
今まで、空港に来ること、空港で手続きをすることさえ、旅の一部でワクワクしていたし、
スマホができてからは、待っている間も暇つぶしができるようになって、
待つのが苦じゃなくなったはずなのに、なんだかソワソワ、セカセカしてしまっています。
去年のドバイ旅行ですら、そんなことなかった気がするのに。
全く時間に追われてないにも関わらず、チェックインでもなんだか焦り、保安検査場でも落ち着かないままでした。
きっかけは小さい男の子
あ、私、「今」にいない。と気付かされたのはゲートへ向かうウィングとよばれるモノレールの中でした。
私の前にいた5、6歳ぐらいの男の子が「おっきぃ〜!!」と両手を窓について目をキラキラさせています。
目の前には巨大な飛行機。
そうだよね、旅ってそうだよね。
到着してからが休暇の始まりでもないし、
なんなら私、出発の2日前から仕事を休んでいるのもあって、もはや休日のようなもの。
一見無駄に感じるような時間を、ちょっとでも効率的な作業をすることで、無駄をなくそうと、心がそぞろだったのかもしれません。
多分、全然生産的じゃないんだろうけど。
娘を叱るお父さん
そして、まもなく搭乗というときに
「ごめんごめん、仕事の電話で。」
「当たり前や、出発直前に申し込んだりするからや!」
という会話が聞こえてきました。
どうやら、20代の女性とそのお父さんと思われるのですが、娘さんが電話のせいで飛行機にのりこめず、お父さんをだいぶと待たせてしまった様子。
そんなギリギリにバタバタするやつがおるか!と怒っています。
確かに。
スマホのおかげで、いつでもどこでもが実現した分、なんだかいつでもどこでもなんでもやってしまいます。
昔はそうじゃなかったもんね。
海外旅行=携帯はほぼ無意味な電子機器だったもの。
渡航中はほとんど連絡もつかないし、出発までにきちんと段取りよくしておく必要があったもんなぁ。
昔には戻れないし、必ずしも昔がいいとは限らないけれど、
あの男の子の今を見る感覚、
このお父さんのON OFFをつける感覚は
やっぱり大事にしたいと思うのでした。
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