いよいよ本番がやってきました。
いつもより早い時間の就寝もあり、アイマスクに耳栓で寝る環境はバッチリ。
でも、1時ぐらいに目が覚めてしまってそこからなんだか寝られません。
えいや!と思い立って、トイレに行ったのが2時。
でもなんだか寝付けそうにありません。
目覚ましがなるまであと1時間半以上あるっていうのに!!
\去年、涙を飲んだ記録はこちら/
5時でも長蛇の列
思うようには寝れなかったけど、比較的すっきりしています。
朝ごはんを食べ、荷物を準備し、タクシーも予定通り。
うんうん、すべてが順調です。
とっても気のよさそうなタクシーの運転手さんにお礼をいって、スタート地点にいくのですが、もうすでに長蛇の列!
なるほど、この時間も案外多いのね(笑)
5時にスタートとなり、スタートのチェックポイントを踏めたのが5時8分になりました。
あの、心がおれる心臓破りの階段。
…あれ?プチ渋滞のおかげでペースが乱れず、意外と楽にこれちゃった!?
渋滞も、案外ありなのかもしれません(笑)
噂の有名人!?
その後も、渋滞しつつ、去年ほどの大渋滞じゃないのもあって適度なスピードで進みます。
あの用意したおにぎりも、立ち止まっている間にぱくっと。
ストローで飲むお茶も、とってもいい感じ。
そして、象徴的なコースの1つ、馬の背までくると、なんだか見慣れたキャラクターが目に入ります。
ん!?カオナシ!?
ぐんぐん近づいていくと、あ、カオナシさんが「がんばれ」というプラカードと主に応援してくださっています。
周りから聞こえてくる声をたどっていると、「うわ~今日はこんなとこにいるんだぁ~」
なんていう声も。
どうやらこのカオナシさん、カオナシたかさんという登山界隈では有名な方だそうな。
知っている人も、知らない人も、
「あ、かおなしだ~」っていう声が聞こえたり、
「がんばれって書いてある~」っていう声が聞こえたりで、心なしか空気がほっこりします。
そういえば、途中の市街地を歩いているときも、車いすのおばあさんが応援幕をお家に貼って、
ずっと沿道で応援してくださっていたっけ。
家にある丸椅子を前に出して、「無料の休憩所」という看板も貼ってくれているお家もありました。
2000人近くが通るので、邪魔でしかない日曜日だろうにそんな心遣いがとっても嬉しくなります。
ひよどり駅では間違えない
優しさに癒されつつも、ちょっぴり渋滞に巻き込まれつつも、順調に前半をクリアしていきます。
もう、まもなく鵯越駅といったところ。
前回、このあたり~コースから大きく外れてしまい30分ぐらい無駄な時間と体力を使ってしまった私たち。
去年の記事にも、
鵯越駅の線路はこえちゃだめだよ!!!by2022年のキキ&Pちゃん(笑)
と、赤色で備忘録代わりに書いているぐらいです。
うんうん、ありがとう、去年のキキよ。
ばっちり当日までに見返すことができました。
でも今年は、ちゃ~んと集団にまぎれて登山できていることもあって間違いそうにありません。
それどころか、鵯越の前の食堂がテイクアウトでおにぎりやコロッケを売ってくれていました。
なんだかあったかくておいしそう…
コロッケと迷いながらも、脂質が大事説に影響されて、珍しくメンチカツに(笑)
Pちゃんも唐揚げを買っています。
ちょっと立ち止まって食べて…
次が難関の1つである、菊水山。
よし!!頑張るぞ!!
未知の世界に突入
去年は雨で大変だった菊水山も、晴れの日だと全然違います。
とはいえ、キツさは一緒だけど(笑)
無事に頂上にあるチェックポイントを踏み、次は前回リタイアした鍋蓋山を目指します。
もちろんここもクリア。
少し雨が降ってきたのでほとんど立ち止まらず、次へと向かいます。
そして、市ケ原に向かう途中に通ったのが、
あの去年見つけられなかったバス停!
あぁ…こっちだったのね…
Pちゃんと、ずぶ濡れの中2時間半ぐらいかけて下山する羽目になったあの悪夢を思い出しながら通ります。
あの駐車場のような広場から3つに道が分かれていて、真ん中を選んだ私たち。
あの時のおじさんとお兄さんも、今年は挑戦しているでしょうか?
そして、バス停こっちだったんだぁと思いながら元気に、ここを通過してくれていたらいいのに!(笑)
ホットレモンに癒される
私にとってはもう1つの難所、天狗道も無事に通過し、摩耶山の掬星台チェックポイントを通過します。
ここでは、ボランティアの方々が無料でホットレモンを配ってくれていて、しかもペットボトルにつぎますよ!という優しさまで。
あいにく空きのペットボトルがなかったので、もう1杯だけもらい団体に気持ちばかりの寄付をして、トイレ休憩などを行います。
…が、ここで問題が。
なんてったって、寒い!
休憩をとればとるほど身体が冷えていきます。
そして、ちょこちょこおにぎり食べ大作戦と止まらず水分補給大作戦が功を奏して、鍋蓋山からノンストップでこれた私。
常に血糖値があるような状態なので、おなかはすいていなかったのですがここでバナナとおにぎりを1つ食べることにしました。
これが大失敗(笑)
あまりにもおなかがふくれてしまって、苦しくなります。
また、備忘録的に書いておこうかな(笑)
保険として買うのはいいけど、止まってしか食べれないものは食べないほうがよし!by2023年のキキ
リズとカズの応援
そして、摩耶山を出ると、あとは勾配のきつい山はなくなります。
ゆるやかな登り道。
あとは道路を歩かないように、ちょこちょことしたアップダウンといった感じ。
ここで、ハイペース登山に不安を覚えたPちゃんと別れ、それぞれのペースでゴールを目指すことになります。
要はここから1人ぼっち。
英断なるリタイア含め、お互いの健闘と無事を祈りつつ、先へと進みます。
この時点で15時過ぎ。
もう登山してから10時間は超えているので、それなりの疲労も出てきました。
私のペースもちょっとずつ落ちてきます。
そして、16時半ごろあの、リズとカズと6月に来た六甲ガーデンテラスに到着。
あの日も、この六甲縦走の話をしており、「11月にはここまで歩いてこなきゃいけないのよ~」なんて話していたし、
この前のイギリスでも「あの大会いつだっけ?」と思い出してくれてたので、さっそく写真をとって「歩いて通りすぎ中。ナウ。(意訳。笑)」と送ります。
すると、リズから「頑張れ~!もうすぐゴール?」と返事が。
いや、ゴールはたぶんここから4~5時間後よ、と思いつつ(笑)
そのままぐんぐん足をすすめます。
もうあたりは薄暗くなってきました。
なるべく、なるべくヘッドライトを使って下山する時間を短くしたいところ!
焦る下山
17時すぎには一見茶屋のチェックポイントを通過しましたが、あたりはもう真っ暗になりかけ。
ちらほらと、ヘッドライトを使う人もでてきました。
私も装着し、あとはもう下山のみです。
そして、しばらく道路を歩いたのに、山道にさしかかるところで
「残り12kmです」
とボランティアの方が。
普通の足で約3時間。
暗闇の下山となると、きっともう少しかかります。
なんてたってこの時間に下山になる人もたくさんいるので、道が混みあいます。
迷わないのはいいけれど、これは3時間以上かかっちゃいそうだぞ!?
そしてこれだけ下山が続くと、やっぱり膝と股関節にやや痛みが出てきます。
そしてもう1つの不安が。
私のヘッドライト、いつまでもつ!?
ヘッドライトをもってきたものの、電池を交換するでもなく、予備電池を持ってくるでもなく、そのまま来てしまったのです。
安くもないけど、高性能ってわけでもないヘッドライトだから周りの人よりやや暗いのか、帽子にさえぎられてしまっているからなのか、それとも電池が消えかけている証拠なのかわかりませんが、前の人のよりやや暗めなのは確か。
まずい、まずい、あと4時間かかるかもしれないのに!
結論からいうと、無事に持ちましたが、ここにも1つ備忘録を。
ヘッドライト、替えの電池は持っていこうね!by2023年のキキ
泣きたくなる8㎞地点
どんどん痛くなる、膝、股関節、右足の親指と闘いながら、1歩1歩降りていると、
ボランティアの方のポイントまでたどり着きます。
「あと8㎞です、頑張って!」
…
…
え?
もう1時間以上歩いているんだけど、今ので4㎞!?
きっと山道なのと渋滞もあって、思うようなペースじゃないのかもしれません。
でもこの痛み、あと8㎞も我慢するの!?
携帯の電波も入らず、Pちゃんがリタイアしたのかわからずじまい。
孤独と暗闇と痛みで心が折れそうになります。
はじめのうちは、このきれいな神戸の夜景に癒されつつ…
もう残り6㎞ぐらいのところでしょうか。
変わらないこの夜景の高度に苛立ちさえ覚えてきます。
ゆるやかに下っているのはわかっているのですが、あまりにゆるやかすぎて達成感がない感じ。
もう無理だ、でも降りなきゃいけないし。
夜に下山なんて危険すぎる、もう一生出ない!
帰りたいよ~。足痛いよ~。
が、グルグルグルグル。
残り5㎞地点といわれたときにはもはや半泣き寸前の顔だったに違いありません。
でも、残り3㎞地点の市街地まで入ってしまえば、自分のペースで足をいたわりながら降りることができるし、立ち止まって携帯を出し、Pちゃんの状態も確認できます。
あともう少し、あともう1歩。
赤鬼とよばれるタイムキーパーとは無縁だったこともあり、どれだけ足が痛くても22時までのゴールはできそうな感じ。
完走という目標だけをもって、1歩ずつ進みます。
人家の明かり
そしてようやく3㎞地点の塩尾寺(えんぺいじ)に到着。
すぐに携帯を確認すると、Pちゃんもリタイアせずに頑張っているんだとか。
ここまできたら、Pちゃんが時間内にゴールできるかは別としても、2人とも完走しゴール地点で合流できるのは確実です。
そして、ここからはもう相当なことがない限りリタイアにはなりません。
ただし、ここから市街地にはいるまでの道の勾配がえぐいったら。
すでに痛みのある足の爪がもげるんじゃないかという坂道です。
登山ポールを松葉杖のように動かし、1歩1歩。
もはやゴールの時間なんてどうでもいいので、なるべく足の負担と痛みを軽減させるような形で進みます。
あと2㎞。
あと1㎞。
最後の最後まで応援してくださるボランティアの方にお礼をいって、1歩1歩。
そしてついに、ゴール受付の文字がみえます。
ピピピ。
足についているICタグが最後のチェックポイントを踏んだ合図をだしてくれます。
あぁ…終わった。
私、やりきった…
21時12分。
スタートが5時8分の記録になっているため、16時間4分に及ぶ登山が踏破という形で終了しました。
感動よりも何よりも、まずは足の爪確認。
よかった、痛いだけで爪はもげてなさそう。
あとはPちゃんがゴールするのを待ちます。
感動の再会
気温が低いことを心配し、Pちゃんは先に帰っててとメッセージを残してくれましたが、やっぱりここは待っていることにしました。
21時55分。
タイムアウトまであと5分。
21時58分。
タイムアウトまであと2分。
最後の曲がり角をPちゃんが曲がるのを今か、今かと待っています。
ふっと次々ゴールする人をぼーっと眺めていたら、ほんとみんな達成感にあふれたとっても素敵な顔。
ほんと、ある意味、達成感だけだもんね、このイベント(笑)
でも人間にとって必要な、そして大事にしなきゃいけない感情のような気もします。
そして22時。
スタッフの方が機材を撤収しはじめました。
Pちゃんの姿はまだ見えません。
でも、こちらに向かっていることだけは確実なので、私の方からも今来た道を戻ってみることにしました。
一度座ってしまうと、もう膝がいうことを聞かないぐらいプルプルします。
帰ってきたボランティアの人に、まだ参加者はいましたか?と尋ねると、
「いや、もういない気が…あ、1人女性いましたね。もうすぐだと思います。」
とのこと。
あ、それPちゃんだ!
私もゆっくりゆっくり坂道をのぼっていきます。
ヘッドライトの光がゆらゆら揺らめいているのが見えました。
Pちゃ~~~ん!!
足の怪我などはなさそうなので、とりあえず一安心。
ボランティアの方が、最後まで一緒に伴走してくれていました。
最後は3人で一緒にゴールまで向かいます。
Pちゃん、22時8分に無事ゴール。
あら?スタートも8分だったから、きっかり17時間の登山じゃない(笑)
時間はすぎちゃったけど、きちんと完走として対応してもらえました。
だって、完走はしたもんね!!
もう周りには何のお店も空いていないのと、寒さが尋常じゃないので、感動の話はそこそこに駅に向かいます。
日曜日の夜の人気がまばらな電車の中で、お互いの7時間がどんな感じだったか、ワイワイ、キャッキャ。
…あ~ぁ、あんなに辛くて泣きそうな下山だったのに、また挑戦するんだろうなぁ、私たち。
ばかだなぁ(笑)
約1年にわたる、ゆるりとしたトレーニングのおかげで何とか六甲全山縦走大会は無傷で完走することができました。
完走賞も机の上で光っています♡
これにて、いったん、六甲縦走までの道のりシリーズは完結です。
来年は…20時までにはゴールして、ラーメン食べて帰りたい!(笑)
\ド初心者のゆるトレーニング記録はこちら/
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