あまりにも、あまりにも話題になっている国宝。
ミーハーなイエスマンでもあるキキも例に漏れず見に行ってみることにしました。
ネタバレ?
ネタバレするつもりもないのですが(笑)、
ネタバレに近いと思うので、映画を楽しみにしている方は映画後に読んでくださいね。
…
…
忠告しましたからねっ(笑)
では、いざ!

圧巻だけど
とにかくすごかった点を述べると
・圧巻の演出
・凄すぎる演技力
もう出尽くした賞賛フレーズですが、この2つは心から「見てよかった~!」と思うレベル。
途中なんて、歌舞伎を見ているのか!?と思うぐらいその世界に入り込まれます。
俳優も監督も、きっと音楽とか演出とか衣装とか、とにかく映画ってすごい。
って改めて思えるレベル。
3時間の超大作でしたが、途中で全く飽きることなく国宝の世界に引き込まれっぱなし。
もうほんと強いて言う後悔と言えば、ポップコーンをLにしておけばよかった(笑)
最後のすんごい感動シーンのところで何度もお腹がなってしまい、周りの方に申し訳なくなるレベル。
でも3時間越えの超大作が全く飽きなかったのは、アベンジャーズの最終話以来な気もします。
飽きる時は2時間ちょいの映画でも、時間の事考えちゃうことあるもんね。
ほんと、日本の歌舞伎が誇らしく思えたし、日本人としてもっと歌舞伎の世界のことを知っておきたいと思えたし、
キキデリでもよく出てくるリズやカズにも絶対見て欲しい!と思うレベル。
なのですが!
見終わった後に、なんだか心がど~んと落ち、もやもやして、消化不良の状態になってしまいました。
なんだろうな。
エンターテイメントというより、深刻なドキュメンタリーを見たようなそんな感じ。
そして、同じ人はいるのか!?と調べてみると、
あら、やっぱり広い世界!
私と同じように感じた人もいるんだとか。
その方の考察を読んでいると少しだけもやもやが解消されたので、せっかくなので私なりの感想も載せてみようと思います。
営みの描写?
なんだか最近、SNS界では文字に対してもコンプライアンスがあるようで、
〇を含めた単語にしたり、近しい言葉を使う方も多いのですが、ブログはどこまで規制がかかっているのかわからないので、マイルドな表現にしておきます(笑)
まず、営みね、営み。男女のね。
映画やドラマのそういうシーンは苦手じゃないというか、むしろ大好物ぐらいだったのですが(笑)、
(韓国ドラマなんて、もう何話も何話も何話も待ったうえでそういうシーンがくるので、やっとかー!!!と思うレベル。笑)
こと、レイプだったり、性を利用した描写になると、フィクションとわかっていてもどこか心が「ちーん」となるようになってきました。
なんだか年々敏感になってきてる気がするんだけれど、これはなんでなんだろうか?
今までにその描写のせいで、見終わった後にしんどくなった映画は
・レヴェナント
・逆転のトライアングル
鮮明に覚えているだけでこの2つ。
あ、あれもちょっと悲しくなったっけ?
岡田准一が出ている「燃えよ剣」の伊藤英明演じる芹沢鴨が女性に乱暴するシーン。
傍若無人な芹沢鴨訳だから仕方ないとわかっていても、伊藤英明が好きなのもあってなんだか落ち込みました(笑)
現実世界でも現に性暴力が起こっていることが、フィクションとわかっていても心苦しくなっちゃうのかしら。
とはいえ。
国宝にレイプシーンなんてもちろんありません。
でも、心荒んだ喜久雄が、純粋な恋心を利用してしまうシーンがあります。
なんだろ。
いいのよ、双方の同意のもとワンナイトを楽しむなら。それは全然、待ってました!なシーン(笑)
でも喜久雄の見え透いた魂胆と、それに気づかず純粋に愛と信じる彰子。
そうなるまで落ちぶれる喜久雄の心中の辛さもひしひしとわかる分、なんだかちょっぴり辛くなるシーンだったりもします。

裏切り?必然?
そして、もう1つは春江と俊介が2人の道を歩むと決めるシーン。
ここは、映画だけでは春江の心の移り変わりについていくことができず、本を読んだ方の考察を読む事で腑に落ちたシーンでもあります。
あれだけ、喜久雄一筋だった春江がどうして俊介と共に歩むことを決めたのか。
歌舞伎役者として邁進する喜久雄が、春江を春江として必要としていなくなっていることに気づき始めたのかもしれません。
それこそ男女の営みだったり、いち支援者としてフィジカルには必要としているけれど、春江を生涯の伴侶として大事にしたい思いはいつの間にか欠落していたのかもしれません。
春江以外にも遊ぶとか、そういうことではなく、歌舞伎しか見えていない感じ。
その心の空白を抱えているときに、春江を求める、必要とする俊介の姿を見ることで、自分の幸せのためにも離れたのかもしれません。
が!
ほんと、俳優陣の演技力よ。
なんていうか、打ちのめされた俊介、心の空白を埋められない春江、自分に課せられた課題をやりきらなければいけない喜久雄。
でも、喜久雄からした裏切りでもあります。
しかも、俊介が春江と歌舞伎界を去り、8年間(だったかな)の空白期間を作ることで、後々、喜久雄の人生の歯車も大きく狂わせてしまうこともあり、
春江~~~~~~!!
何で行くんだよぉ~~~~~~!!

となってしまうんです。
喜久雄がその後、ボロボロの見てられない姿になるのもあって恨みつらみが沸々と(笑)
でもね、これも映画の世界を超えていろいろ考えさせられるというか。
先日、友人が結婚目前というところで破局したのですが、
その理由が「私と生きていく、っていう日々そのものを守り、努力する姿勢がみえなかった」と。
彼女曰く、同棲前に今まで隠していた事実が発覚。
そこで冷却期間を置いて、今後一緒に住むにあたってどうしていくのか考えようとなったときに、彼は何も改善するつもりがなかったんだとか。
彼女が許し、受け入れてくれるのをただ待つだけ。
今回発覚したことは、確かに今の生活や関係を脅かすものではないけれど、「この先一緒に人生を送る」と考えた時に、その姿勢になにかアラートみたいなものを感じたんだとか。
春江も、そういうアラートを感じたのかもしれません。
正解や不正解はない分、自分がきちんと幸せに生きていくには誰に何を思われても、今は辛くても、そのアラートから目を向けないことも大切な選択の様な気がします。
私も、目をつぶってるアラートあるのかしら?
男女関係だけじゃなくって、生活とか、仕事とか。
たかだかワンシーンではあるけれど、そんなモヤモヤの深い渦にのめりこんでしまい見終わった後に心が「ど~ん」と落ちてしまったのでした。
いや、今はね?転職も決まりアラートゼロですが、映画を見た時は最終面接もまだだったから(笑)
国宝はもしかすると、プライベートや仕事が上手くいっているときに見た方がいいのかもしれません(笑)
そして、もう1つ。
3時間越えの超大作ではあるけれどより細かな感情の移り変わりを拾い、映画を最大限楽しむには原作を読んでからの方がいいのかも。
でも、10年後とかにもう1回みたいなぁ。
見る世代によって感情移入するキャラクターが違い、なんだかトトロのように何度も何度も楽しめる映画の様な気がします。
うん、いろいろ書いたけれど、正直、かなりオススメ!
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