寄り道だらけな30代の生き方奮闘記 

最後の紫蘇ごはんは涙混じりの笑顔と共に、な話

エッセイ

ずっと冷凍庫に入っていた紫蘇の炊いたん。

おばあちゃんの自家製のおかずです。

大好きなのに、冷凍してくれた1パックが大きくて、

1人暮らしじゃ食べきれないので、もったいなくって手付かずのままでしたが、

おばあちゃんが倒れて病院に運ばれたのをきっかけに、母と一緒に食べることにしました。

きっと最後になる紫蘇ごはん。

一命は取り留めたけど、1人暮らしなんてもっての他だし、もう台所に立ってもらうことができない気がしたのです。

そして、この紫蘇ごはんが、本当に最後の紫蘇ごはんになりました。

おばあちゃんは49日をかけた旅に出ます。

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亡くなる間際まで元気に喋っていたおばあちゃん。

普通の食事まではとはいかなくても、柔らかいゼリー状のものは口から食べられていたそうです。

点滴交換のため、数十分後に部屋を訪れたら安らかに眠っていたそうな。

本当に苦しむことのない最期だったようで、

眉間にシワの1つもよらず、まるでただただ眠っているかのような顔つきでした。

娘にも、孫にも、全員会うことができて、

4月中旬には珍しい、真夏のような暑い日に送り出されていきました。

夏生まれだから、ちょっと夏が恋しくなった?(笑)

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参列者の目から涙がこぼれ落ちる一連の儀式。

でも、1つ1つの大事な儀式が終わるたびに懐かしい話に笑いがこぼれる私たち。

雲ひとつない青空に、まるでCDのように透き通ったウグイスの鳴き声。

どこを切り取っても文句のないお葬式のおかげで、

緊張の糸はほぐれ、私らしくお別れできたような気もします。

おかえり、おばあちゃん。

そして、いってらっしゃい。

いつかまた、娘である母にレシピを聞きながら、紫蘇の炊いたん作ってみるからね。



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