寄り道だらけな30代の生き方奮闘記 

悲しいお知らせは後から現実味を帯びちゃう話

エッセイ

おばあちゃんが倒れたという連絡が入ったのはもう10日も前のこと。

偶然にも母が私の家に遊びに来ている道中での連絡でした。

89歳、一人暮らし、認知症なし、今まで大きな病気もなし のスーパーばあちゃんです。

とりあえずの1報は「意識がない状態で見つかった」だけでしたが、今日、明日で危ない状態ではないんだとか。

さっそくその日の夜に母の姉たちがかけつけ、そして、母が翌日バスで向かいます。

面会はコロナ禍なので1日1回1組のみがタブレットで。

実際、自分の親族となると複雑な気持ちになります。

でも、それが逆に守ってくれることもあるよね、なんて思いながら。

ご近所さんの話とおばあちゃんのルーチーンから考えると、どうやら見つかったのは倒れてから約24時間たってからだそう。

新聞の集金のおじさんが、おばあちゃんが出てこないのを怪しんでお隣さんに声をかけてくれたそうです。

ご近所さん同士の力ってすごい!

いろんな検査の結果、考えられる原因はいくつかありました。

年齢もあるので、たまごが先かひよこが先かの問題もあります。

炎症反応も強いので、抗生剤を投与して様子を見ていましたが、10日たってもいいお知らせは聞きません。

領域は違えど、私もナース。

やっぱりいろいろ考えてしまいます。

でも、その考えが現実味を帯びだしたのはあまりにも突然でした。

あの、おばあちゃんに会いに行くときに使っていた駅。

おばあちゃんの家に向かう途中にあった喫茶店。

あの喫茶店で必ずコーヒー飲むのが好きだったなぁ。

歩いていける庶民派のスーパー。

海の町なこともあって、海鮮コーナーはやたら美味しそうに見えたっけ。

子どもの頃の記憶とはまた違った顔を見せる海水浴場や、朝早くから始まる丹後ちりめんの機織りの音。

海が見えるから、おじいちゃんの墓参りも好きだったなぁ。

英語の先生だったおじいちゃんには、こっそり英語で挨拶してたっけ。

おばあちゃんに会えなくなるってことは、おばあちゃんの住んでいたあの場所とも少し遠くなってしまうということ。

あのちゃぶ台に、ゆで卵器。昭和レトロなお箸に、私の家より大きい冷蔵庫。

「もう5年もしたら買い換えにゃんねぇ。」なんて言ってたっけ。

「買い替えの日がきたら大往生よ、おばあちゃん」と思ったのは秘密の話(笑)

取るに足らない1日が終わってベッドに入った普通の夜。

ふと思い出したおばあちゃんとその日常が急に恋しくなってしまいました。

もういっか、流れる涙はそのままで。

翌朝ふっと、冷凍庫におばあちゃんの「紫蘇の炊いたん」があることを思い出しました。

あったかご飯にかけたらおいしい、あの炊いたん。

せっかくなら、明日母の所に持って行って一緒に食べようっと。

ご飯だけは炊いといてねって連絡しなくっちゃ。

おばあちゃん、頑張っても、頑張らなくてもいいからね。

Miss you, love.

\京丹後で冬の幸を堪能した話はこちら/

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