寄り道だらけな30代の生き方奮闘記!? 

深夜の警察署。ボロボロの33歳を救ってくれるのは!?な話【スマホ事件簿④】

エッセイ

更に深くなった草をかきわけ、奥底で光る携帯を見つけます。

あぁ…あった…

手も心も傷だらけ

やっとの思いで、傷だらけの手を伸ばし、拾い上げて見てみると、

スクリーンは粉々。

うそ…

何度も何度もトンカチかなにか鋭利で強固なもので殴りつけられた様子。

スクリーンは光るものの、その半分はうつらず、半分は色が変わっています。

後ろのカメラまで、ズタズタの粉々。

ケースも切り刻まれています。

あぁ…

もう声になりません。

あかん…

あかん…

携帯、バキバキ…

と悲痛な声でララ氏に説明します。

鳴り止まないFind iPhone機能のビープ音に耐えられず、ララ氏に止めるよう叫びますが、

どうやら1回鳴らすと、自然に止まるまで鳴り続けるよう。

なんども鳴らすボタンを押してくれたのもあって、なかなか鳴り止みません。

狂いそうになる音に耐えながら、なんとか携帯側から、ロックモードを解除。

もう、用水路を飛ぶことはできないので、深い草やぶをもう一度かきわけ歩き、道路に出られる道を探します。

空車のタクシーを拾い、向かうは警察の元。

タクシーのラジオ

とりあえず、話が早い方がよかったので朝に訪れた警察署に向かうことに。

もう、タクシーの中で

なんで…

なんで、こうなったん…

と、か細い心が漏れ出てきます。

何をおもったのか、無傷のままの携帯が捨てらていて、

拾いさえすれば全てが終わると思ってしまった分、

粉々の携帯をみてだいぶとショックを受けてしまいました。

転売目的の盗難であれば、電源が切られて位置情報は出てこなかっただろうし、

何よりも電話をかけるとコール音がしていたのもあって、期待していたのかもしれません。

ズボンもセーターも髪の毛も、くっつき虫とトゲだらけ。

ズボンは全体的に濡れてしまったのもあって、足も冷え切っています。

頭の中はパニックなんだか冷静なんだか。

あぁ、明日携帯買いに行かなくちゃ。

あぁ、とりあえず午前中だけ休みをもらわなくっちゃ。

多分、この痛みの程度なら肋骨折れてないだろうな。

大事なデータはバックアップしてたけど、あれとあれは消えちゃうかしら?

あ、イギリスの写真はバックアップとってないかも!?

などなど。

でもその冷静な考えの間に、

どうして…

誰が…

なんで…

17時まであのマンションにあったのなら、犯人は住人!?

なんでここまでボロボロにする必要があったの…

と、考えれば考えるほど悲しくなる疑問が飛び交います。

そういえば、タクシーの中で流れてたラジオ。

MCさんが携帯を忘れた話をしてたっけ。

「みなさん、携帯のうっかりは気を付けてくださいね」って明るい声で。

ウソのようなホントの話(笑)

深夜の警察署

時刻は間も無く21時と言ったところ。

ようやく警察署に到着します。

事情を説明して、説明して、説明して…

矛先のわからない怒りを抑えながら説明します。

明るいところで見ると、手は思っている以上にトゲで切り傷だらけ。

とりあえずセーターについているトゲをほっておくと、余計傷ができるので、少しずつ抜いていきます。

ララ氏もズボンについているトゲを一生懸命取ってくれています。

すると、事情を察した別の課の婦警さんがガムテープやゴミ箱を持ってかけよってきてくれました。

私が盗難課の方に説明している間、片方の脚のトゲをララ氏が、片方の足のトゲを婦警さんが取ってくれています。

でも植物の力ってすんごくて、これまた全然とれません。

2人がかなりの時間をかけて、とってくれました。

服や靴もびしょぼしょだったので、見かねた婦警さんが、夜勤の仮眠用に置いていた服とサンダルを貸してくれることに。

もう、この時ばかりは優しさに甘えます。

でも、変な遠慮をせず、お言葉に甘えて本当に良かった。

もちろん尽力してくださったのは重々承知ですが、拘束時間が3時間以上にわたり、警察署を出たのは深夜。

濡れたズボンと靴でいるには、あまりにも辛かったかもしれません。

何よりも、ララ氏が一緒にいてくれて良かった。

1人だったら、辛さと悲しみと痛みに発狂していた気もします。

「80歳になったら、この話で笑おうね。」

な~んて、いってみたり。

今でも笑える小学校の時の思い出もあるもんね。

数十年たったら、きっとこれも笑い話になってるよ。

赤鼻のトナカイ

大量に出ていたアドレナリンも少しずつ落ち着き、

ショックと悲壮感はあるものの、

キキ「なんでなん?」

ララ「なんでなんやろなぁ」

キキ「後厄は同じやん。同い年なんやから。」

と、少し笑いながら話せます。

なんの記念かわからないけど(笑)、ララ氏に頼んで撮ってもらった1枚の写真。

ちょっと鼻の先も切り傷があったのと、寒いのもあって、真っ赤な鼻で元気なく笑う私がそこに写っています。

ふふ。

2人とも携帯を触ってしまったので、指紋も取られていたのですが、

薬指で苦戦するお互いの姿をみて笑いを堪えます。

…くくっ。

あ、私、まだ笑える。

最悪の、最悪の、なんならここ数年で、

母が事故に巻き込まれてERに搬送された日の次ぐらいに最悪の日だけど、

怪我は軽傷だし、

暴力沙汰には巻き込まれてないし、

SIMがあるから番号変えなくてもいいし、

事故に遭ったわけでもないし、

ケースに入れてた1000円以外はお金の損失もないし、

新しい携帯はお金で買えるんだから、

大丈夫。

大丈夫、大丈夫。

と言い聞かせます。

帰りはララ氏の携帯でタクシーを呼んでもらうことに。

あぁ…

そうだ私、朝ごはんを食べたきり何も食べてないんだった。

もうかれこれ16時間は経過しています。

なんだか、あったかいもの、食べたいな。

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